産業医を設置するメリットとは?役割や必要性について紹介
産業医とは、労働者の健康管理を専門的に行う医師のことであり、病院で患者の病気を診断・治療する臨床医とは役割や勤務場所が異なります。実際「産業医を設置しても意味ないのではないか」と思っている人も少なくないと思います。この記事では、産業医の役割や設置することによって得られるメリット・デメリット、産業医紹介サービスについて詳しく解説します。選任前にそれぞれを正しく理解して、自社に最適な産業医を設置することが大切です。
【目次】
企業が産業医を置くメリット・デメリット
労働安全衛生法(第120条)により、従業員が50人以上在籍している企業の場合は産業医を設置することが法律で義務付けられています。 従業員が50人以上になった日から14日以内に選任しなければなりません。一方、従業員が50人以下の小企業でも産業医を設置することは可能です。企業が産業医を設置する必要性やデメリットを解説していきます。
労働安全衛生法についてはこちら
産業医を選任する企業が知るべき法律は?労働安全衛生法などを紹介
メリット
産業医の役割や重要性について、知らないという人も多いと思います。産業医を置く必要性は多くありますが、今回は主な3つのメリットを紹介します。
従業員の健康維持
産業医を設置することで従業員の身体的・精神的な健康維持をサポートできます。病気の予防など早期の段階から問題発見、改善することが可能であるため、健康問題の深刻化防止が可能です。従業員の健康を維持し休職・退職を防止することは、会社の経営維持と成長促進にもつながります。また従業員に不調が生じた場合、その不調の原因・対処法などを医学的な視点からアドバイスしてくれるため、従業員の自己管理能力の向上を図ることもできるでしょう。
従業員の満足度向上
産業医を設置することで、自身に何らかの不調を感じた場合にすぐ相談・対処ができるため、多くの従業員にとって働きやすいと思える職場環境を実現できます。また自分で病院まで足を運ぶ手間や、医療費などの金銭的な負担を軽減することが可能です。その結果、従業員の満足度や会社に対する信頼度が向上し離職防止にもつながると考えられます。従業員の満足度が向上すれば、それが求職者の目にも留まり将来的な人材確保にもつながるでしょう。
従業員のメンタルヘルス対策
労働災害の中で、精神障害と認定される事例が増えている近年においては、従業員のメンタルヘルス管理が重要視されています。産業医を設置することにより、従業員の希望があれば面談やストレスチェックの機会を設けることができます。「ストレスチェックは意味ない」と考え自覚がないままストレスを溜め込んでいる人も多いです。しかし面談やストレスチェックを定期的に実施することで、自身の精神状態やストレスの度合いを把握することが可能になります。従業員のメンタルヘルス対策が重要視されている近年では、産業医設置の必要性がさらに高まっていると言えるでしょう。
デメリット
産業医を設置する上では、デメリットも生じます。今回は主な2つのデメリットを解説します。
費用が発生する
大きなデメリットとしては、産業医を設置する際に大きな費用が発生するということが挙げられます。産業医との契約にかかる費用や面談場所の設置などは企業が全て負担する必要があります。発生する費用は、産業医の種類(専属または嘱託)により異なります。設置する産業医が月1回程度の訪問を行う嘱託であれば、月3〜10万円程度が必要になります。一方で専属であれば週1回の訪問で年間300〜400万円、週4回の訪問であれば年間1,200〜1,500万円程度になることが多いです。また産業医を設置する際は、その窓口業務を行うスタッフや産業保健スタッフなど、他職種との契約費や維持費もかかります。
従業員の理解が必須
産業医を設置する際は、従業員にその必要性を理解してもらう必要があります。実際「産業医は意味ないのではないか」と思っている従業員が一定数いるのが現状です。そのような従業員の疑問・不安を軽減するために産業医の役割や、利用することでどのような利益が生じるかなどを具体的に説明する必要があります。
産業医をお探しなら紹介サービスがおすすめ
産業医の設置を考えている企業は、産業医紹介サービスを利用することをおすすめします。産業医紹介サービスを5つ紹介します。それぞれ費用や登録している医師の数などが大きく異なっています。「産業医は意味ない」と思っている企業も、自社に合った最適なサービスを活用することで、会社の経営に利益をもたらす可能性があります。
産業医クラウド
産業医クラウドは質の高い産業医の紹介や、メンタルヘルス対策の徹底支援を強みとしているサービスです。当サービスでは全ての産業医に対して、労働法に基づいた基本業務の習熟度、応用業務の理解度・実行力、協調姿勢などの厳格なスキルチェックを実施しています。そのため現在設置している産業医の業務自体に不安があるという企業におすすめのサービスです。また当サービスでは質の高い産業医だけでなく保健師、CSチームによるメンタルヘルス対策の徹底支援を行うため、離職・休職率の低下にもつながります。
PASONA
PASONAは、健康経営支援を中心に行なっているサービスです。当サービスのスタッフが経験やノウハウを活かし、豊富な人材登録層から各企業に最適な産業医を紹介します。またリーズナブルな体制構築が実現できるような支援を行っていることも当サービスの強みです。従業員の健康管理を強化したい、産業医にかかるコストを見直したいという企業におすすめのサービスです。
エムスリーキャリア
エムスリーキャリアは日本の医師の約9割(全国31万人以上)の医師が登録しているデータベース(医療情報サイトm3.com)を 活用している産業医紹介サービスです。当サービスは専属や嘱託だけでなく急な単発依頼にも迅速に幅広く対応できるという強みがあります。専属産業医の交代で空白期間ができたという企業も迅速に単発医師を手配できるためおすすめです。
エムステージ
エムステージは産業保健をトータルでサポート(産業医紹介、運用、実務サポート)するサービスです。当サービスは初期費用無料で月額3万円〜の業界最安値水準を実現しているという強みがあります。また契約後は産業保健業務管理クラウドが無料で提供されるため、管理・運用業務の効率化を図ることができます。毎月かかるコストを抑えたい、管理業務を効率化させたいという企業におすすめのサービスです。
産業医紹介ナビ
株式会社MEDIATEによって運営されている産業医紹介ナビは女性医師を中心に紹介するサービスです。女性産業医がもつコミュニケーション力、話しやすさなどの強みを活かして従業員のメンタルヘルス対策を行います。化粧品会社や航空会社、コールセンターなど女性が多く活躍している企業におすすめのサービスです。女性産業医を設置したい企業は活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は産業医の必要性やデメリット、産業医紹介サービスについて解説しました。産業医は従業員のメンタルヘルスを維持・管理する上で重要な役割を担う存在です。産業医の設置を考えている企業は産業医紹介サービスを活用し、自社の予算や従業員の特徴に合った最適な産業医を設置しましょう。「産業医は意味ない」と考えている従業員に対しては、事前に必要性を具体的に説明する必要があります。最適な産業医の活用は、従業員のメンタルヘルス対策だけでなく会社の経営に利益をもたらす可能性が大いにあります。