休職について産業医はどのように関わっていくのでしょうか?
休職・その後の職場復帰には産業医と連携して手続きをしていく必要があります。休職に関するトラブルも増えている今、より強く連携して適切に対処することが必要です。
・休職に関する産業医のサポート内容
・産業医の職場復帰の判断基準
・休職トラブルを防ぐためのポイント
記事の最後には「就業規則確認チェックリスト」を用意しました。ぜひ最後までお読みいただき、そのチェックリストを見ながら対策をしていきましょう!
1.休職について
1-1.休職者の割合
1-2.メンタル不調での休職とその原因
1-3.メンタル疾患で1年間休職した場合の損失額計算例
2.休職に関する産業医のサポートとは?
2-1.会社と連携し業務調整を行う
2-2.休職~職場復帰までのサポート
3.産業医の職場復帰の判断の基準は?
4.休職トラブル防止のために就業規則チェックリストの確認を
5.おわりに
まずは休職についての現状と、特に近年話題となっているメンタル不調による休職について解説していきます。
休職率とは、就業者数における休職者の割合です。こちらが男女別の休職率のグラフになります。
左(上):男性
右(下):女性
男性は年齢が上がるにつれ、女性は育児休暇のため30歳前後で休職率が増えます。しかしどの年代でも一定数休職者がいるのは事実です。
そしてこちらが産業別・職業別のグラフになります。
左(上):産業別
右(下):職業別
産業では漁業が飛びぬけて一番多く、職業では建設・運搬系の職業で休職者が多いことがわかります。最も休職率が低い、金融業・保険業と比べると4倍以上休職率が高くなっています。
男女別、年代別、職業別と休職者の割合を見てきましたが、女性の出産を除くと、非正規従業員、高齢の方ほど休職する割合が増え、職業で見ると建設や運送といった過酷な労働をしてしまいがちな職業に休職者の割合が増える傾向にあります。
日本はストレス大国とも呼ばれ、メンタルが原因の休職者は決して少なくありません。
実際に平成28年度に厚生労働省が行った調査によると、労働者の59.5%が仕事や職業生活をする上で強いストレスを感じることがあると答えました。また、0.4%の労働者がメンタル不調を原因として休職、その半分が退職しているという事実があります。
そのメンタル不調の原因と考えられるのは、以下の3つだと考えられます。
多くの方が職場でストレスを感じた経験があると思います。中でも1人に任せるには多い仕事量、仕事上のミス、それを責められたり、セクハラやパワハラなど…メンタル不調になる原因はたくさんあります。そして「我慢すれば大丈夫」、「周りも辛いのは同じ」と考えてストレス溜め込んでいってしまったりすることで、突然会社に行くことができなくなってしまったり、ストレスチェックでメンタル不調が発覚し、そのまま休職せざるを得なくなるパターンもあるのです。
過去3年間で、1度でも休職者を出したことがある企業は全企業の50%といわれています。休職者が出てしまった場合、企業側には周囲も含めてどのくらいの損失が発生するでしょうか。年収400万円の社員を例として見ていきましょう。
【年収400万円の社員が休職した場合】
※0.25=3か月分(1年間の1/4)、1=1年間分、0.6=8か月分(1年間の1/3)
以上、合計1130万円が損失額になります。
ここまでコストがかかってしまうため、そのまま復職できず退職という形になれば求人費などさらに多くのコストがかかることになります。休職者が復職できるようサポートを忘れずにしていく必要があります。
それでは、休職を希望する社員がいた場合に産業医が果たす役割とは何でしょうか?
産業医にはこの場面で大きく分けて、2つの業務があります。
本人と産業医で面談を行い、必要な業務調整を考え、上司や人事労務に対して意見書を提出します。そして本人と上司・人事労務で相談を行い、実際に業務調整を行っていきます。
・残業の禁止
・出張の禁止
・配置転換
その後、面談内容の共有・共有範囲について決定します。というのも、本人が抱える問題によってはさらに影響が出てきてしまうことがあるからです。また個人情報保護のため会社に相談せず、産業医との面談のみで終了することも可能です。
休職をしてから職場復帰までには、いくつか踏まなければならない段階があります。そのどの段階でも本人・会社・産業医の連携が不可欠になってきます。実際に連携不足で社員が復帰後すぐに退職してしまうというケースもあるようです。ここでいかに連携が取れるかで、その社員が復帰後職場に定着するかが変わってくるでしょう。
休職の手続き=本人から提出された診断書・休職願いを確認し、休職事由に該当するかを判断
→上司などと連携して本人の情報を集める
→原因が労災にあたるかを確認
→休職に関する通知書を作成・期間や職場復帰に関する説明
休職中には主治医への情報提供を行い、連携を取ったうえで本人と連絡を取りましょう。本人へは、以下のような事柄についての情報提供を随時行うと良いでしょう。
体調が回復次第「生活記録表」の記録(起床・就寝時間など)
→主治医に診断書を書いてもらう
→職場へ提出
主治医による診断書というものは、病状の判断であり、業務遂行レベルという判断ではなく、これで確実に復帰できるというわけではありません。
職場の情報をよく知っている産業医の判断も必要になります。休職者の現状把握をした上で職場復帰が可能かどうか適切な判断をするために、主治医や上司、産業保健スタッフや産業医が連携し情報を共有する必要があります。
復職願を提出
→人事労務と本人で面談
→職場状況・担当業務・業務遂行が可能かを確認
→模擬出勤や通勤訓練、試し出勤
→産業医が面談(現在の本人の状況、再発の可能性など)を行い意見書を作成
→意見書・主治医の診断書を元に会社側が職場復帰を判断
・本人の疾患が再発していないか
・現在の勤務状況や業務について
・職場復帰プランの状況
・プラン見直し、職場環境改善の検討
このように休職者本人はもちろん、主治医や会社と連携していくことが、非常に大切なのがお分かりいただけたでしょうか?
先程、職場復帰のためには産業医が復帰可能という意見書を提出する必要があると述べました。それでは、一体産業医はどのような基準で復帰可能を判断しているのでしょうか?また主治医と産業医で職場復帰の判断が違った場合はどうすればいいのでしょうか?
まずは主治医と産業医の違いを見てみましょう。こちらの表をご覧ください。
|
主治医 |
産業医 |
役割 |
患者の医療方針全般に対して主たる責任を有する医師 |
従業員が健康で快適な環境のもとで仕事ができるよう、専門的な立場から従業員・事業者(会社)の双方に助言や指導を行う医師 |
契約 |
患者との治療契約 |
事業主との業務委託契約 |
主に判断する際の目標 |
日常生活・通勤可能レベル |
就業可能・前職場復帰レベル |
主に判断する際の立場 |
患者の健康回復優先 |
従業員の利益・会社の利益 |
提出する書類 |
診断書 |
意見書 |
この表を見ていただくと、どちらも医師であるものの立場や目的が異なることがわかります。
つまり、職場復帰の判断も主治医は病状の回復を元に行い、産業医は職場復帰レベルまでの回復を考慮に行っています。
そのため主治医と産業医の復職判断が異なるということが発生します。特に多くの産業医は、再発しないようにより安全であろうと措置を取ることが多いので、産業医の方が休職期間も長くなりがちです。主治医と産業医、双方の判断が異なった場合は、主治医の判断のみに頼って早々に復帰させるのではなく、産業医の意見もきちんと判断に入れましょう。
休職手続きの際のトラブルは未だに多くあるそうです。その原因は就業規則です。就業規則とは、経営側と従業員が共に理解している「職場全体のルール」です。労働時間や賃金、人事・服務規律など、労働条件や待遇の基準、従業員が守らなければならない規律などを具体的に定めた職場の規則のことをいいます。
そしてこの就業規則が整っていないことで以下のようなトラブルが発生してしまう可能性があります。
・主治医の診断書を提出する前に休んでしまう
・産業医との面談拒否
・休職中会社との連絡を無視
・裁判に発展
・休職と復職を繰り返す
など
これらのトラブルを回避するためにも、就業規則を確認・整備しましょう!
まずは、自社の就業規則が休職・復職に対応しているか確認するところから始めましょう。こちらに「就業規則確認チェックリスト」として見ておきたい10個のポイントをまとめました。一つずつ照らし合わせて確認してみてください!
<就業規則確認チェックリスト>
それでは「質の高い」「休職・復職に強みをもつ」「メンタルヘルスに対応」の3つの条件に注目した、おすすめの産業医紹介サービスを紹介します。
産業医クラウド(avenir産業医)
会社名:株式会社Avenir
設立:2011年6月
本社所在地:東京都港区赤坂 3-16-11東海赤坂ビル4階
費用 | ◆初期費用無料! 最低価格:33,000円(税抜30,000円)(1時間) 従業員:150名未満…55,000円(税抜50,000円)(1時間) 従業員:150~300名…88,000円(税抜80,000円)(2時間) 従業員:300~500名…121,000円(税抜110,000円)(3時間) ※年間1200万円以上のコストカットの実績あり! |
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産業医の指定 | 労働衛生コンサルタント / 研修済み産業医 / 女性産業医 産業医クラウド(avenir産業医)では企業の状況と予算に応じて最適な産業医を提供・選任できます!すでに産業医を選任していても「スポットで女性産業医にきて欲しい」「休職者が出たから今だけ相談したい」という細かい相談にもしっかり対応可能です。 |
産業医の変更 | 無料で変更可能 紹介サービスだからこそできる【産業医の変更無料】産業医と企業の相性や考え方の違いによるありがちなトラブルも、変更にすぐ対応してもらえると安心です。 |
業務サポート | 産業医 / 保健師 / カスタマーサクセス / 研修 / リモート面談 / 採用時の人材診断 / 職場環境改善コンサルティング / 職場巡視及びチェックリスト作成 / 復職プログラムの運用 / ストレスチェック(実施〜面談まで追加料金なし。オンライン可) / 過重労働者の面談 / 健康教育 / 衛生教育 |
受けることがで きるセミナー | ラインケア研修、メンタルチェックツールの導入 従業員の休職から復職までの準備・手順・考え方など、管理職や人事・労務担当者が身につけておかなければならない知識を説明する内容です。産業医クラウド(avenir産業医)が最も得意とする休職・復職まわりのトラブルを未然に防ぐ基本的なサポートとなります。 |
対応地域 | 全国対応 |
産業医クラウド(avenir産業医)は、メンタルヘルス対策を中心に、充実かつ多彩なサポートを行う産業医紹介サービスです。
産業医の面接通過率は20%と選りすぐりの産業医を紹介できる環境が整っています。かつメンタル面での離職・休職率低下に対し、効果的な提案ができる人材です。
さらに、産業医クラウドが重視している産業医の能力6つの中に「復職支援対応」「精神医学の知識と技術の取得」といった項目があります。
これらの各能力に対し研修を定期開催して、継続的な産業医のスキルアップを心掛けています。
また産業医だけではなく「ELPIS」というITサービスを持っており、こちらを利用してメンタルケアに関する健康相談や法人向けの研修等も行っています。
したがって、産業医だけではなくこのELPISや保健師・CSチームが一丸となってバックアップをしてくれるので大変安心です。
質が高く、かつメンタルヘルスにも対応できるバランスのいい産業医をお探しの方にぜひおすすめしたいサービスです。
Carely産業医
会社名:Carely産業医 本社所在地:東京都渋谷区円山町10番18号マイキャッスル渋谷JP 203
費用 | 1時間:5.5万円(税込) 2時間:11万円(税込) 3時間:16.5万円(税込) |
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産業医の指定 | ○:労働衛生コンサルタント 〇:研修済み産業医 △:女性産業医 |
産業医の変更 | 〇:無料で変更可能 |
業務サポート | 〇無料:産業医の運用〇有料:職場環境改善コンサルティング |
受けることがで きるセミナー | ラインケア研修 |
対応地域 | 関東・関西中心 |
Carely産業医はIT企業に特化した実務スキルとメンタルヘルスへの対応方法を習得した産業医を提供しています。
IT業界は年間労働時間が平均よりも非常に高く、メンタル不調が多い業界です。もちろんその分休職者も多い。そこに絞ってIT企業専門の産業医を自社で育成・研修しています。
そしてIT業界特有の事情を踏まえたサービスを提供してもらえます。特にIT企業に多い在宅勤務や裁量労働制などといった制度にも対応できます。
多くのIT成長企業での実績もあり、信頼できる産業医紹介サービスなので、IT企業の人事の方には特におすすめです。
パラゴン
会社名:パラゴン 本社所在地:東京都港区南青山5丁目17番2号シドニービル502
費用 | 月額:66,000円(税込) 最小契約時間:毎月60分訪問 初期費用無料 |
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産業医の指定 | 労働衛生コンサルタント / 研修済み産業医 |
産業医の変更 | 対応無し |
業務サポート | 休職・復職の体制作り / 産業医 / 保健師 / 健康相談 / 復職面談 / 衛生講話 / 職場巡視 / 長時間労働者面接指導 |
受けることがで きるセミナー | 特になし |
対応地域 | 全国対応 ※一部地域で選任に時間がかかる場合あり |
パラゴンもメンタル疾患に強い産業医サービスです。
職場復帰支援はもちろん、メンタルヘルス関連のセミナーや企業の健康年齢算出・それに伴う健康投資内容の提示も行います。
さらに企業の現状を分析し、希望に合わせた支援システムの設計~実装まで行います。もちろんより高度かつ専門的なサービスを提供する提携先との調整も任せることも可能です。
また精神保健福祉士や社会福祉士と連携し、介護支援サービスを提供することで介護離職防止の取り組みも行っています。
メンタル面の総合的なサービスを求める企業の方にはおすすめです。
この記事では、休職の際の産業医・人事労務の対応や流れを中心に解説をまとめました。休職者を出さないための対策も必要ですが、同時並行で休職者が出てしまった際に適切な対応が取れるような対策も講じておきましょう。休職・職場復帰の際に重要な「就業規則」の確認も忘れてはいけません。
休職者に寄り添い、かつトラブルを起こさないために、産業医と十分な連携をとっていきましょう。
産業医クラウド (avenir産業医) |
Mステージ | エリクシア | First call | さんぎょうい株式会社 | |
株式公開 | 東証グロース ※親会社の株式会社メンタル |
– | – | 東証プライム | – |
初期費用 | 無料 | 11万円 | 無料 | 11万円 | 無料 |
月額費用 | 33,000円 (税抜30,000円) |
訪問しない月:22,000円(税抜20,000円) 訪問する月:55,000円(税抜50,000円) |
110,000円 (税抜100,000円) |
オンライン産業医面談・ firstcall健康相談+ ストレスチェック 44,000円 (税抜40,000円) |
88,000円 (税抜80,000円) |
導入事業場数 | 10,000以上 事業場 |
1700以上の事業場 | 公式サイト記載なし | 670以上の事業場 | 900以上の事業場 |
オンライン 対応項目 |
産業医面談 健康メール相談 ストレスチェック メンタルケア診断 ハラスメントホットライン 専門医カウンセリング メンタルケア研修 |
産業医面談 衛生委員会 健康教育 産業医との調整 定期健診の進捗管理 |
産業医面談 衛生委員会 ストレスチェック メンタルヘルス研修 マネジメント研修 |
健康相談 ストレスチェック 産業医面談 |
産業医面談 キャリアコンサルタント面談 セミナー |
特徴 | メンタルヘルス対策を最も得意とし、テレワークの働き方にも対応。解約率1%未満と安心の実績。 | 医師紹介の実績は17年。クラウド管理システム「エムコネクト」で人事業務の効率アップ。 | 担当産業医をはじめとした様々な専門家がチームとなり、課題解決まで実施。迅速な対応も強み。 | オンラインでの面談を実施。匿名でいつでも医師に相談ができるチャットサービスも提供。 | 担当コーディネーターが全てを調整しトラブルを防ぐ。適切かつ細やかなサポートが望める。 |
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